第4章 絶対に言わない。
サフィヤだった。
「ユーリ様が…!助けてください!」
カラ松がサフィヤを落ち着かせ事情を聞きだそうとする。
「ユーリ様はここ五日食事もろくに取っていなくて…昨日から水分取っただけで吐いてしまって…。動くと貧血みたいに倒れてしまって…でも誰にも言うなってオレ言われてて…」
サフィヤは泣きそうになりながら必死に伝えてきた。
ふと、オレには正直に言わないなら、コイツを使ってどう思っているか聞こうと思った。
オレが屋敷に行くといい、サフィヤにその話をした。オレがスマホで打った言葉を聞けと。
それでもオレを嫌いだというなら仕方がない。
屋敷に着き久しぶりにユーリの部屋に入る
「ユーリ様入りますよ…喉乾きませんか?色々買って来たんですよ!!」
サフィヤがいつも通りの対応なのだろう。明るくそう言うと
「サフィヤ…なんだか優しくていい香りがする…哀しくなる位」
「えー?そうっすか?なんにもつけてないんすけどね…」
「喉乾いてるんだケドまたもどしたらサフィヤに迷惑かけちゃうから…」
「でもこのままじゃ死んじゃいますよ…誰かに相談しましょうよ…」
「いいよ…迷惑かけたくないし、死んじゃったら死んじゃったでこれ以上アレ見ないで済むもの…」
「ボスの事そんなに嫌なんですか?」
「何を今更言ってるのサフィヤ?嫌なわけないでしょ…でも今のおそ松はもう知らないおそ松だから嫌かな…。」
「もう知らないボスって言うのはどーゆー意味でですか?」
「サフィヤも見たでしょ?女の人と歩いてて、次見かけると違う人…あたしの好きなおそ松はそんなじゃなかったから」
「でも、先に避けたのはユーリ様ですよね?」
「あれ?その話したっけ?」
「あ~カラ松様から聞きました」
「一年前の今頃…おそ松が車に撥ねられそうになったのを庇ったの…。カラ松兄さんがあたしを引っ張てくれてあたしもひかれなかったけど、周りのみんなもおそ松にはそうしていたから。そうすると、おそ松は笑いながら、サンキュって言うんだけど。あたしにはすごく怒鳴って怒られたの…。その時あたしは家族だと思っていたのは自分だけだって気づかされた。おそ松はただ可哀想な子を飼っているだけなのかもって」