第11章 自分の気持ち
さっきと同じように座って
ずっと蛍はあたしを抱きしめてくれて
「由佳…」
呼ばれたので振り向くと
おでこにチュッとキスをされた。
恥ずかしくて固まっていると
「嫌だった?」
とまたズルい質問
頭を横に振って返事をしたけど。
少しこの態勢になれてきたし…言ってみようとおもい
「ねぇねぇ、蛍は潔子さんが好きだったんじゃないんだね。あたしずっと潔子さんが好きなんだと思ってたよ…」
「それを言いたいのはこっちの方なんですケド。僕だって澤村さんだと思ってたし」
なんで大地さん?!
とは思ったけどそれはきっとお互い様だろうから
「お互い誤解してたんだねぇ~…あ、蛍はグッチーには言わないの?」
「聞かれれば言うケド。なんで?」
「いや、親友だからちゃんと言うのかな?って思ったんだよ」
「何それ…」
蛍が呆れた様に言ってるけど
「じゃ、あたしから言っちゃおうっと!」
「…勝手にすれば」
プイっと横を向いて。そんな蛍が愛しくて
「蛍!!月がキレイだよ!」
「ハイハイ。それあの時言って欲しかったんだケド?星じゃなくて…」
「え?星知ってたの?」
「後で知ったよ。」
後で知られてたのはそれはそれで恥ずかしい…。
なんて思いながら色々話していると
楽しい時間はあっという間で
帰る時間になり
はっと思い出して慌てて蛍の机に
ピンク色のオオカミのぬいぐるみを置いておいた。