第10章 嫌われるのが怖いだけ
バスに乗っても手を繋いでくれていて
降りたバス停は潮の香りがすごくして
久しぶりのそれに
「蛍と、海来てみたかったの!」
そう言うと蛍は
「そう」
とだけ言った。
海に着くと自然と手は離れてしまって。
海辺に着き蛍がピンク色の貝をあたしに見せてきて
これって桜貝?
と聞くから
そうだよ
と答えると蛍はバッグから紙コップを二つだし
一つをあたしに渡してきて
今日海に来たのは、桜貝を取りに来たって。
なんかデートみたいで嬉しくなって。
そう思いながら蛍を見るとそっぽを向きながら
「桜貝、沢山見つかるといいね。」
「そうだね!蛍と一緒に幸せを持ち帰れるといいな!」