第10章 嫌われるのが怖いだけ
電車が来て、空いていたから楽々座れた。
「座れて良かったね!」
蛍に笑いかけながら、昨日用意したCDを渡した。
タイトルがあった場所には黒い油性ペンで塗ったCD。
「な、なに?これ…」
「これ、聞いてみて!J-POPあんまり聴かないって言ってたからおススメなCDを持ってきた!」
「こんな怪しいCD聞きたくないんですケド。」
聞いてほしい。蛍に。
きっと興味何てない曲ばかりだろうけど。
それでも蛍に…
「えー!ダメダメ!絶対聞いて!今すぐ!」
「いや…今すぐは無理なんだけど…。」
「あ、そうだけど!!聞いてね!」