第10章 嫌われるのが怖いだけ
そんなこと思いながら、窓の外を見つめていた。
ふと見慣れた、待っていたような気さえする姿が目に映った。
手を振ってみたら気づいてもらえて。
スマホがピコンと鳴った。
【何してるの?】
いつもの簡潔な文章
【グッチーはコーヒー飲んで、あたしはパフェ食べてレモンティー飲んでる!!蛍も来て(*^^)v】
店員さんにショートケーキとアイスコーヒーを頼んだ時
蛍は中に入ってきて、グッチーの隣に座った。
グッチーが何故か慌てながら状況を説明している。
「由佳ちゃんが、ここの前通ったら、パフェのサンプル見つけて食べたいって。今サンドイッチ食べて、パフェ食べてて…」
「…なんとなく状況が見えたからもう説明いらない。」
「ごめん!ツッキー!!」
「なんで山口が謝ってるワケ?由佳がワガママ言って山口は付き合わされたって事デショ?」
「えー!あたしワガママいってないよ!」
「そーゆーのをワガママって言うの。知らないの?」
「じゃあ、グッチー、ワガママに付き合ってくれてありがと!」
イチゴのショートケーキとアイスコーヒーが運ばれてきた。
「蛍はそれで、よかったよね?」
と蛍に聞くと何も言わずに頷いただけだった。
そのままいつも通りの会話をしながら帰って。