第10章 嫌われるのが怖いだけ
合宿が午前中で終わり
さぁ帰ろうとしたら、蛍は用事があると言い
あたしとグッチーは取り残された。
初めて二人で帰るなぁ、なんて思ってると
グッチーも同じことを考えてたらしくそう言ってきた。
いつもとは違う感じで、駅を出てふと見ると
喫茶店のディスプレイのパフェが美味しそうで
グッチーに寄ろう?と言うと少し考えてから、いいよ。
と言われた。
軽く昼食を済まそうと話、サンドイッチと
グッチーはアイスコーヒー
あたしはアイスレモンティーを頼んで。
サンドイッチを食べ終えた時グッチーが真剣な表情で
「ねぇ、いきなりだけど、由佳ちゃんはさ、好きな人とかいるのかな…?」
「え…?ん~グッチーだから言うけど、好きな人はいるよ。でも誰かは教えないよ…」
「なんで?」
「もし、誰が好きかなんて言葉にしたら消えちゃいそうだから…」
「消えちゃう…?」
だって、グッチーに言ってしまったら
もし蛍の耳に入ったら…
そばに居ることも出来なくなるかもしれないでしょ?
そうしたらあたしの恋は消えちゃうから。
もう少しだけこの恋を感じさせていてくれないかな。
例え叶わなかったとしても。