第10章 嫌われるのが怖いだけ
それでも蛍に助けてもらいたかったと伝えたくて
「なんで蛍助けてくれないのさ~!!」
「本気で連れていかれるワケないデショ」
蛍は呆れた声で一言。
違うよ…。
連れて行かれるとか連れて行かれないとかじゃないんだよ。
「そーゆー問題じゃないもん!」
「自分がいけないんデショ。あっちにまで良い顔をするから気にいられたんだし」
蛍にはあたしがそういう風に見えているんだね。
でも…
「え~!あたしはマネの仕事してただけだもん!じゃあ、蛍はあのまま拉致誘拐されても良かったって言いたいのぉ!?」
「ハイハイ。わかったわかった。次に拉致誘拐されそうになったら助ければいいんデショ」
蛍はまた呆れた様に言った。
きっとその時が来ても蛍は助けてはくれないんでしょ?
それでもいいから。嘘でもいいから
「約束だよ!!」
蛍は何故かあたしのおでこをクイっと押してきた。
何故かそれが肯定してくれているような気がして
分かっているけど、蛍が許してくれる間は蛍のそばにいさせてね…。