第9章 消え方と消し方と痛み
全学年集まると大地さんが
「由佳から疲れているだろうからみんなへ。だそうだ!」
みんなが一斉にあたしにお礼を言ってくるので
少し照れながら
皆にチョコがいいか、イチゴがいいか聞きながら切り分けていく。
蛍は聞かなくても分かっているから
蛍に番初めにイチゴのケーキを渡した。
全員で、いただきますして
蛍も美味しそうにケーキを食べてるから
あたしの分はなんて言って蛍に渡そう…?と悩んでいると
「食べないの?」
とタイムリーな話でびっくりしながら考えて
「え?あ?んっと…あ!ダイエットしようかなって思って。蛍は…もうケーキ食べれないかな…?その…もし食べられるなら…食べてくれると助かるんだけど…。」
笑って言ったつもりが蛍はまた訝し気な顔をして
「なにその取ってつけたような嘘…。」
「ごめん…あの、ケーキ食べて…?」
もう、なにいっても駄目だと思って、
強引にケーキを渡した。
それから逃げるように
「食べ終わったお皿回収しまーす!」
と、みんなの所へ回って行った。