第9章 消え方と消し方と痛み
食堂からみんなが、ごちそうさまーと帰っていく。
お皿を洗っている時に蛍から
「話ってなに?」
と言われ、洗い物の途中だし逃げるに逃げれない状況で
「昨日の事なんだけど…。ごめんね。無理やりマッサージとかして…。その、嫌だったんだよね。蛍の事考えないでしたから…蛍怒ってるんだよね…その…」
「なに言ってるのさ?僕を避けてるのは由佳デショ?」
避けてなんか無いのに…。蛍が訝し気な顔するから…
「え…?あたし避けてなくて、あの…蛍を怒らせちゃったから…気まずくて。でも謝らなきゃって」
「っていうか、僕は由佳に怒ってなんてないんですケド?」
ウソだ…だって昨日…
「え?だって昨日、すごく冷たく、別にって言って…。いつもと違う感じがして…だから…ケーキ買って謝ろうって。でも蛍だけって訳にはいかないから。あたしの分も…」
「ホント…勘弁してよね…。」
「え…?あ…ごめんなさい…」
やっぱり嫌だったんでしょ…
俯こうとすると涙がこぼれそうになって必死にこらえて
「僕はさ、キャプテンとは性格違うの由佳わかってるデショ?嫌だった無理やりでも、どかしてるし。」
え…?そう思いじっと蛍を見つめると冷たい時の目じゃなくて
「良かった…ほんとに怒ってなくて良かった…」
「声…鼻声だケド?」
笑いながら言う蛍
「うぅ~そんな事ないもん。ケーキ美味しかった?」
そんな事しか言えなくて…
まだコワイ
恋心を消すのがどのくらい辛いかと少し理解出来たから