第1章 名前
≪蛍('ω')ノこれであってる(*'ω'*)??≫
「隣に居るんだから口で言えばいいデショ。」
彼はこちらを向き呆れた顔で言った。
「むぅ…返事が欲しかったのに…」
初めてのチャットしてみたかったのになぁ~。
先生が教室に来て、ホームルームが始まり緊張しながらも無事自己紹介も終えられた。
休憩時間になると女の子たちが話しかけてくれて嬉しかった。少し疲れたなぁと思い外の空気を吸いに教室を後にした。
中庭に出てみるとバレーボールが転がっている。
ちょっとだけ…ちょっとだけなら…この場所なら平気なんじゃないかと思い
ボールを宙にあげポンポンとトスをした。なんともいえないこの感覚。
夢中になっていたのか、人に見られているのに気づかなかった。
「うまいな!バレー部なのか?」
短髪の男の子に言われはっとした。
「いえ…違います。」
短髪の男の子は笑いながら続けた。
「そんなにボール使いがうまいなら、バレー部に入ったらどうだ?」
「バレーはしません…。好きじゃないんです。」
「好きじゃない割には楽しそうにしていたけどなぁ?」
心がザワザワとして黒くなっていく。
「昔は…好きでしたけど、今はすきじゃないんです。」
「どうしてだ?」
「…出来ないからです…。」
「なにかあったのか?」
「…。」
「あぁ~すまん。話したくないなら無理に話さなくてもいいぞ。」
「…。別に面白い話じゃないですよ…。」
短髪の男の子はこちらをまっすぐ見つめ黙って頷いた。