第6章 君の左側
あたしは蛍が右側にいるのが何故か落ち着く。
だから自然と一緒に行動するときは
自分の右側に蛍がいる形になる。
いつもよりゆっくり歩いてくれている蛍に嬉しくなって
自分でもわかるくらい顔がにやけているに違いない。
電車は混んでいなくすんなりと座れたけれど…。
いつもはグッチーが話をふって
それにあたしが乗っかって
蛍を巻き込む形が多いから
二人きりだと何を話せばいいのか…。
頭の思考回路をガタガタ言わせながら、
蛍の顔を見たら
蛍の特徴でもある白いヘッドホンを装備して…
こちらと会話する気皆無の体制。
ムスっとしながら蛍のヘッドホンを外して
話がしたい!と訴えた。
「…。別に良いケド、由佳が話さないんデショ?いつもはうるさい位なのに」