第6章 君の左側
午前中だけの部活が終わり、いつもの通り蛍、グッチー、あたしで帰った。
ふと、思ったのは、スポーツ用品店なら、グッチーと行った方が慣れてるだろうし…。
なんであたしなんだろうとは思ったけれど
蛍の難しい頭の中を理解するのは困難なので途中で考えるのをやめた。
その日は白色のシフォン系の生地のワンピースにGジャンを組み合わせた服装にした。あまり着飾りすぎずにと。
待ち合わせの時間より大分早めに出たのに、
蛍はもうマンション前でヘッドフォンで音楽を聴きながら待っていた。
あたしが来たのに気付くとヘッドフォンを外し
「遅いんだけど…。」
なんて文句を言っている。
10分以上前に玄関を出たあたしより早く来ている…
なのにそんな事を言う蛍は
大分可愛かった。けどそれは蛍には内緒にして。
でも顔にはでてしまっていたようで。
「何、変な顔してるのさ?さっさと行くよ。」
蛍は少し強めの口調で言ってきたけれど、顔は機嫌がいい時の顔で。
はぁ~いと返事をして蛍の隣を歩いた。