第4章 それを日常にしたい
しばらくすると、聞き覚えのある声がしてそちらを向くと、
蛍とグッチーが体育館に入ってきた。
二人は周りのメンバーに挨拶を終えたみたいで、
その頃合いを見計らい話しかけた。
「蛍!グッチー!二人共バレー部だったの?!」
「…。僕がバレー部だったら、由佳は迷惑なワケ?」
「何言ってるの?蛍がバレー部ならめちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!もちろんグッチーもだよ!」
蛍はこちらも向かずに
「あっそ…」
とだけ呟いて俯いた。
俯かれたけど、蛍はイライラしたり、冷たい感じがしなかったからまぁいいかな。と自分に言い聞かせた。
それから、二人が来るまでの間に起こった出来事を話した。
グッチーは災難だったね~。
なんてほんわかしながら笑って言っていたけれど。
後で、その問題児二人と次の土曜日3対3マッチをすると大地さんから言われて
蛍は心底面倒くさそうな顔をしている。
「蛍、グッチー頑張ってね!楽しみだねぇ~!3対3とか!」
蛍は何も答えなかったので、これ以上この話はやめておこうと思った。
問題を起こした二人にはペナルティーがあるってわかっている。
これから仲間になる、チームメイトになるってわかっているけど
それでも蛍の勝つところが見たいと思ってしまう自分がいる。
それから、蛍達メンバーは練習に戻り
あたしは潔子さんにマネージャーとしての仕事内容を教えてもらったりとなかなか充実した時間を過ごした。