第2章 君との距離感
それからは色々話した。大体あたしとグッチーが話して、蛍がツッコむ形だったけれど。
駅に着き、まだ時間的には余裕かと思ったけれど、来た電車は満員電車で。
ぎゅうぎゅうに押しつぶされていた時ふとお尻に違和感を感じた。
気のせいかもしれないし当たってるだけかもしれないから。
動かずじっと我慢していたらスカートを上げられた気がした。その時、腕を引っ張られあたしは蛍の前に連れてこられ抱え込まれる形になった。
「我慢するとかバカなの?早く言いなよ。」
「あ…蛍…ありがとう」
助けてくれた嬉しさと、背中に蛍の体温が当たっているそれが余計にドキドキさせた。
駅からの帰り道、あたしのマンション前の道が蛍とグッチーの帰宅路だったのでついでに送ってもらい、
自分勝手に
「また明日ね!」
って約束を取り付けた。
「…またね」
蛍はあたしと視線を合わせると一言。
朝、蛍の態度が冷たかったと感じた分、その一言と帰りの蛍の態度があたしを有頂天にさせた。