第2章 私の弟
少しだけなら大丈夫ですよ。と促され、部屋の中にお父様と一緒に踏み入れる。
「よく頑張ってくれたね……ありがとう、そして無事で良かった。メアリー」
お父様がそっとお母様の肩を抱く。
「おかあさま……おつかれさまです……!」
私もお父様に抱き上げて貰って、お母様に抱きつく。
「ありがとう、2人とも……クロノの元気な弟ですよ」
お母様の腕の中で泣いている小さな命。
しわくちゃの顔と、ちっちゃい手足。こんなに小さいのに、伸ばした指を握ってくれた。
「おとうさまにそっくりですね」
「あら、やっぱりそう思うかしら?」
「はい! にています!」
「出来れば私ではなくメアリーに似てほしかったな……メアリー似なら美丈夫になるだろう?」
「あなたに似てもきっと美丈夫になるわよ」
お父様に似ても、お母様に似ても、とってもかっこいい男の子になると私は思う。だって2人とも素敵な人だもの!
「わたし、おとうとをまもれるようにつよくなる! りっぱなおねえちゃんになる!」
素敵な2人に似た弟は、きっともっと素敵な人になるはずだから。だから、私が守ってあげないと!
両親は、柔らかい笑みを浮かべて私の頭を撫でてくれた。
「クロノ、弟の名前はね……」
「ジョナサン。ジョナサン・ジョースターって言うのよ。素敵な名前でしょう?」
「ジョナサン……?」
名前を呼ぶと、まるでそれに反応するように弟――ジョナサンは大きな鳴き声をあげた。