第1章 転生
拝啓、前世の皆様
クロノ・ジョースター。2歳になりました。
赤ちゃん時代の恥ずかしいあれこれは思い出したくないです。
月日が経つのは早いもので、気がつけばこの世界に転生してから2年。お父様とお母様の愛情をたっぷり受けて、すくすく育っております。
「おかあさまー! きょうもおなかのあかちゃんはげんきですか!?」
「もちろんよ、クロノ。ぽこぽこ動いてますよ」
今、お母様のお腹には新しい命が宿ってます。
私の誕生日の後に生まれてくる、私の弟か妹。大切な、大切な、私の家族。
兄弟なんていたことがなかったから、楽しみで楽しみで仕方がない!
「おかあさまのおなか、おおきくなりましたね!」
「クロノのお誕生日がもうすぐだから、あとちょっとで会えるわよ?」
「うん!うん!」
「ほら……お父様をお迎えに行かなくていいのかしら? お父様拗ねちゃうわよ?」
お母様の言葉にはっと門の方を見ると、ちょうどお父様の馬車が止まる所だった。
「おむかえいってきますね! おかあさまははしっちゃだめですよ?」
「はいはい、いってらっしゃい」
手に荷物を持って馬車を降りるお父様めがけて走る。走っていく私に気がついたお父様が、嬉しそうに笑って手を広げた。
「おかえりなさいませ! おとうさま!」
「ただいまクロノ。2人にお土産を買ってきたよ」
「やったー!」
お父様は抱きついた私に、持っていた大きめの箱を見せてくれた。