第4章 侵略の音
ちなみにディオは私に対して特にアクションを起こしてきません。むしろ全力で避けられてる気がする。それはそれでお姉ちゃん寂しい。
でも不思議な事に偶に物陰から観察している時もある。見つけると逃げられるけど。
多分、あれだ。珍獣でも見ている気分なんだ。
外面だけならともかく、家の中の私を見てしまったら世の中の淑女とはかけ離れているし。平気で男装もします。走り回ったりもします。
あれだけの美貌を持っているディオからしたら、自分に媚びて寄ってこない時点で珍しい存在なんだろう。
実際に物珍しいみたいだし。
今日も今日とて避けられてます。
お姉ちゃんは寂しいので家出します。(こっそり家を抜け出して遊びに行くだけ)
誰にも気づかれない様に窓から脱出。
屋敷を抜けて道沿いを歩いていると、弟たちと同年代であろう少年達が少女を取り囲んでいるのが見えた。
「やーい、やーい! 泣き虫エリナ!」
「また懲りずに人形なんて持って歩きやがって!」
「返して! 返してーっ!」
私より小さな女の子は、少年に人形を取り上げられて腕をあげられれば手は届かない。
それでも涙を浮かべながら、からかう少年たちの間で飛び跳ねていた。