第4章 侵略の音
お父様はディオが来てから、ジョナサンに厳しくあたる様になっていった。それはジョナサンを嫌っているからではないというのは分かっているのだけれど……それでも最近、比べてばかりでやり過ぎじゃないかと思う。
「ジョジョ! もっと静かに、マナーを守って食事をしなさい! ディオ君を見なさい。彼はこんなに綺麗に食べているじゃないか!」
「と、父さん……」
「もういい! ジョジョの食事を下げなさい!」
誰にも気が付かれないように、ディオがこっそりほくそ笑んでいるのが見えた。
相変わらず猫かぶりが得意な子だねぇ。
ついでにお父様、それはやりすぎですよ、逆効果ですよ。
「お父様、そんな事をしても逆効果ですよ。ジョナサンの食事を抜いた所で能力は上がりません。むしろ学習の場を奪ってます」
「む……そういうものか?」
「そういうものです。そんなに目につくなら私が部屋でマナーを教えますから。お父様は変な方向に頑張り過ぎです」
イマイチ納得がいっていないお父様を放っておいて、近くの使用人に自分の食事とジョナサンの食事を部屋に持っていくように声を掛ける。
「ほらジョナサン、行くよ。ついでに勉強もしちゃおうか?」
「え、でも……」
ちらちらとお父様の顔を見ているジョナサンを強引に立ち上がらせる。
「それでは、失礼しますね。お父様は少し頭を冷やしてくださいませ!」
「クロノ!?」
ちょっとは反省して貰わなくてはいけませんから!
向かいのテーブルで不機嫌そうな顔をしているディオは、見なかったことにした。