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Tournesol

第1章 カラー


「っ!!!!!!!」
いない!!!
鍵も足枷も付けずに出てきてしまったからだ…。ダリルは部屋に居なかった。
レイモンドを呼び出し使用人に全力で探しだせと指示したらルーズベルトが
「多分ですがっ!!ダリル様は岬に居ると思います…!」
悔しいが手がかりがルーズベルトの言葉しかない。闇雲に探すよりかはマシだろう。

ボクは馬車で、ルーズベルトは馬で他の使用人もできうる限りの手段で探し回ることになった。
岬につくと、ルーズベルトが乗っていた馬がつながれていた。
ヒールの跡とブーツの跡を見つけてそれを追いかける。
ふと前を見ると黄色い花を沢山抱えたダリルとダリルの左手を握り占めて泣いているルーズベルトがいた。ふたりはこちら気づきルーズベルトはこちらに走り寄って、ダリルは手招きをしている。走り寄って「こちらに…」と言ってきたルーズベルト
二人の間に入れない事実にイライラし突き飛ばしてしまった。
「ラウル!!デイヴィなんでっっっ!!」
ダリルがこちらに走り寄ろうとした時地面が割れた…。
黄色い花がふわっと浮いて慌てて走り寄ったけど手を一生懸命伸ばすダリルに手を伸ばせなかった。
黄色い花と泣きながら笑って手を振りながら夕日の赤に染まった海へと吸い込まれていくダリルが最後に言った言葉は…

あ い し て る

嘘だ嘘だ嘘だ。
ダリルはボクの事なんて愛してなかったはずだ。好きだったのは≪ディヴィ≫じゃなくて≪ラウル≫なんだから…。

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