第1章 カラー
あれから一か月が経とうとしていた。
ルーズベルトが泣きながら本を渡してきた。
受け取るだけ受け取ってルーズベルトの目も見なかった。
ルーズベルトが泣き叫ぶように、「お願いします!目だけでも通してください!」
ダリルの部屋に一か月ぶりに入る。あの時足枷を外さなければ…鍵をちゃんと閉めれば…
ベッドに横になるとまだダリルの香りが残っていて…
ふと枕に固い物に気づいた。
ダリルの日記だった。
パラパラとめくるとボクのことが書いてある事に気づいた。
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今日もあの方が来られた。優しい声。素敵な人。
あの方に貰われることになった。
今日デイヴィが笑ってくれた!
ラウルに教えてもらった、お花にも意味があることを。
デイヴィにプレゼントしよう!
デイヴィにバラをプレゼントした。
花の意味はいつ教えようかな?
デイヴィが怒ってる…。なんでだろう?
ラウルに教えてもらった岬の花告白…やってみようかな…?
デイヴィ大好きだよ…。足枷痛いよ…。
嘘だろ…?あの花に意味があった?!ボクの事が好き…?
ルーズベルトが渡してきた本を見てみる。
―――花言葉全集―――
中をめくりながら貰った花を調べてみる。
真っ赤なバラの花言葉 愛情
1本であなたに一目ぼれ又は、あなただけ。
4本で死ぬまで気持ちは変わらない。
赤いアネモネの花言葉 君を愛する
紫のライラックの花言葉 恋の芽生え・初恋
赤いチューリップの花言葉 愛の告白
最後にダリルが抱えていた黄色い花は…ヒマワリ
ヒマワリの花言葉 あなただけを見つめてる
あぁ…ずっと前からボクは愛されていたんだ。なぜ気づかなかった?
あれだけ伝えようとしていてくれたのに。ごめんよダリル。