第1章 カラー
それから二人を監視し始めると何やら笑ったり難しそうな顔をしたり…
「ラウル、それは岬に咲いているの?その噂は本当なのかしら?」
「ダリル様、その花が無くても、その噂に頼らなくても大丈夫なのではないでしょうか?」
「えぇ~!わからないじゃない。ホントにラウルは乙女心がわかってないんだから」
ダリルはルーズベルトのことを愛称のラウルとまで呼んでいる。
許せなかった。その瞳にボク以外の男を映して笑っていることが。
そうやってボクをだましてたのか?あぁ。それでもボクは君を逃がしてあげることはできないんだよ。
ガチャガチャガチャン
「デイヴィ…なんで?いやよ…。外して…。」
「ダリル…君がいけないんだよ?いい子にしていれば…ボクだけを映していればよかったのに…。」
君が逃げないように足枷を付けた。部屋にもレイモンド以外は近づかせないようにした。
ダリル…君の面倒はボクが見るよ。