第1章 カラー
その日のうちにダリルの荷物とはいってもトランク一つだが。こっちで揃えるからといいダリルとトランクを馬車に押し込んだ。
もうダリルを迎え入れる準備の整った部屋。白とピンクで揃えた家具。可愛いボクのダリルに似合うように部屋も可愛くさせた。
もう屋敷に仕立て屋が待機しているだろう。可愛いダリルにはいつも可愛い服を…。
ダリルが部屋についたと連絡を受けダリルのもとに急いで足を進めた。
窓際に立っているダリルがこちらに気づき振り向く。ただそれだけの動作なのに愛しくなって抱きしめていた。
「あ…え…ディヴィッド様…?」
頬を赤く染めたダリルがもぞもぞとしている。
「様なんてつけなくていい。デイヴィとでも呼んでくれ」
「え…はい…わかりました」
「ン~その敬語も使わないでいい」
「わかったわ。デイヴィ」
頬を赤く染めてほほ笑むダリルの赤い髪と夕日が混ざって。
世界はこんなにも美しかったのかなんて当たり前のことを思ったら涙がこぼれそうになった。