第1章 カラー
レイモンドの調べだと、名前はダリル・エズラ
エズラ家は祖父の代で財を成してその金で爵位を買った所謂成金貴族だ。
そのエズラ家は祖父が亡くなってから会社の経営がうまくいっておらず、経済的にピンチらしく金策に走っているらしい。
あぁ神様、なんてボクは幸運なんだろう。これであの娘はボクのものになるよ。
それからは簡単な事だった。
何回かエズラ家に出向き、会社の方針や金を効率よく回す方法など会社経営の指南をして、一番最後の訪問時に融資の話をしそして融資の代わりにダリルが欲しい。と交渉した。
エズラ家からしたらこんないい話はないとでもいうようにすぐに承諾した。
金とローク侯爵家とのパイプができるのだから。
挨拶に来たダリルは不安そうな顔をして
「ダリルと申します。不束者ですがよろしくお願いいたします…。」
と消え入りそうな声で。そんな姿もとても可愛い。