第3章 或る爆弾
結局、太宰に上手く言いくるめられ犯人の気を逸らしに向かった敦。
「や、やめなさーい!きっと親御さんが泣いてるよ!い、生きてれば好いことあるから!」
「何だアンタっ、誰だか知らないが無責任なこと云うな!」
「し、死にたくなる時だってあるよ?でも辛くても生きてる人だって……例えば僕だって、孤児で家族も友達も居なくて孤児院さえ追い出され行く場所も生きる希望もないし…とりたてて特技も長所も無いし誰が見ても社会のゴミだけど、それでもヤケにならずに生きてるんだ!
だ、だからね 爆弾捨てて、一緒に仕事探そうっ、ねっ!」
「え、いや、ボクは別にそういうのでは」
と犯人の気が緩んだのを逃さず
「異能力『独歩吟客』ーー鉄線銃」
国木田が手帳に走り書きした頁を破り紙を鉄線銃へと変え犯人の持っていた起爆スイッチに引っ掛け飛ばし確保した。
一見解決したかのように見え、安心しきった敦だが、背を押され倒れ着いた手の下には先程吹き飛んだ起爆スイッチが。
「…あ」
「「『あ』」」
「ああぁぁあぁぁぁぁぁあぁッ⁉︎?!あと5秒‼︎」
ー5
(な、何か爆弾に被せるものっ!)
ー4
敦が人質を爆弾から離した次の行動に一同が固まった
ー3
「なっ」
無自覚なのか敦自身も、自分が爆弾に被さっていると云う行動に訳が分からずにいた
ー2
(…あれ?僕何やってんだ?)
「小僧ッ!」「莫迦!」『敦君ッ!』
ー1
ー0……