第3章 或る爆弾
馬鹿な事をしている幼馴染・太宰治の元へ向かうと、既にドラム缶を抜けていた彼と、昨晩虎に変身していた少年・中島敦が社員寮から出て来たところだった。
『容態診に来たけど、ピンピンしてるし大丈夫そうね 治』
「まあね、敦君が早めに助けてくれて良かったよ」
「あの、太宰さん この人は…?」
『そういえば、自己紹介していなかったね、私は荒木茉莉。治と同じ武装探偵社の社員で医者もしています。よろしくね、敦君』
「はい、改めて中島敦です」
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『ところで今日は二人ともどうするの?』
「うん、敦君に仕事を斡旋しようと思ってね」
「え、本当ですか!」
と嬉しそうに聞いてくる現在無職の敦。
「任せ給えよ、我が名は太宰
社の信頼と民草の崇敬を一身に浴す男『そんな訳ないでしょ、貴方が浴びているのは文句と苦情の嵐でしょ(怒』
「えー 茉莉酷いなぁ(笑」
などと雑談していると数メートル手前から国木田さんの声がした。
「ここに居ったかァ!
この包帯無駄遣い装置!(怒
この非常事態に、疾く来い!」
と国木田の発言にちょっと傷ついた太宰。
その後も怒鳴ると体に悪いと言われて間に受け、太宰に嘘だけどねと言われ殴る蹴るの暴行を加える国木田。
…このままじゃ埒があかない。
『国木田さん、非常事態って何があったんです?』
「そうだった!二人とも探偵社に来い!人手がいる!
ー爆弾魔が、人質連れて探偵社に立て篭もった!」