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もう一人の女医 【文豪ストレイドッグス】

第13章 三社鼎立



あの後、国木田さんからの電話は直ぐにきれ、私達も直ぐに向かったが既に後の祭りであった。

私達が駆けつけた頃には、広場に残る弾痕と血の池。その中には国木田さん、賢治くん、敦くんの他にマフィアの構成員達、さらには


ポートマフィア幹部
尾崎紅葉
ーー能力名「金色夜叉」 の姿もあった。


『撃ち合い、て訳では無さそうだね』
「恐らく、マフィアと衝突しようとした時に組合から横槍を入れられたのだろうね」

『兎に角、三人を運ばないと。私じゃ応急処置で精一杯』
「姐さんも連れて行くよ、マフィアの戦況とか知りたいしね」

『…絶対に其れだけでは無いよね、姐さんへの用は』

惚けた様に笑う太宰を放っておき、ある程度処置を済ませ自分の異能を呼び出す。
『大夫、国木田さんと敦くんを運んで』
大夫は一つ頷くと二人を抱える。

『私は姐さん運ぶから、治は賢治くん運んで』
「…身長的に、私が姐さんを運んだ方がいいんじゃぁ」
『うだうだ云ってる暇無い、急いで』

と紅葉をヒョイと横抱きして、スタスタとその場を去って行く。


「……何故あんなに男前なのだい、君のご主人は」

と思わず彼女の異能に呟く。


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