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もう一人の女医 【文豪ストレイドッグス】

第8章 人を殺して死ねよとて


次の駅で乗客達を下ろし警察達に後を任せ、私達は敦君の元へと急ぐ。

「茉莉、この先の河川敷で間違いないね!」
『はい、大夫が救助した筈だから間違いないですーーッッ⁈』

カランと私の下駄が転げる。

「茉莉⁈大丈夫かい?」
『あー、下駄の鼻緒が切れただけです。晶子さん、先に二人の元へ行ってください』

「気を付けてくるんだよ」と云って先を急ぐ晶子さん。

何でこんな非常事態な時に鼻緒が切れるのだか、縁起が悪い…

片足で何とか壁際まで行き、路地側へ少し入り下駄を治す。

「大丈夫ですか?肩を貸しましょうか?」

後ろから男性の声が聞こえてくる。
『あ、ありがとうございます、お願いしても良いですか?』
と云いながら振り向くと、そこに居た人物に固まる。

『アンタ、何で此処にーーッッ⁈』

突然の腹部の痛みにその場に崩れ落ちるが、目の前の人物に抱きとめられ、意識を手放した。


「やっと見つけたぜ、茉莉」


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