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もう一人の女医 【文豪ストレイドッグス】

第8章 人を殺して死ねよとて



翌日


「太宰が行方不明ィ?」
と朝から眉間に皺を寄せながら不機嫌そうに声を上げる国木田。

昨晩から社寮に帰っていなく、電話にも出ない太宰を心配して探していた様子の敦。

だかフロアに居た国木田、賢治くん、乱歩さんは皆それぞれ

「また川だろ」
「また土中では?」
「また拘置所でしょ」

といつも通りだろと云う感じだ。

「茉莉さんは?太宰さんから何か連絡とかは無いんですか?」
『残念ながら、私も何も聞かされてないんだよね…
人が折角誘ってやったのに何時間経っても来ないし、ヘラヘラして帰って来たらぶん殴ってやろうかな』

「苦笑)……し、しかし、先日の一件もありますし、真逆マフィアに暗殺されたとか……」
「阿保か あの男の危機察知能力と生命力は悪夢の域だ」
『あれだけ自殺未遂重ねても、まだ一度も死ねて無いしね』

でも、と云い不安げな敦くん
すると横から「ボクが調べておくよ」と声の方を見ると治療室から谷崎が出て来た。

「谷崎さん、無事でしたか!」
「いや〜、与謝野先生の治療の賜物です」

と和やかな会話だが

「…で谷崎、何度解体された?」

国木田の発言に一気に血の気が引き顔が真っ青になる谷崎。

「……よ、四回」

「「「あー…」」」

うん、全員口揃えて云うよね…
晶子さん、本気(ガチ)で特別コースやったな…

「敦君、探偵社で怪我だけは絶ッ対にしちゃ駄目だよ」
とフロアの角でガタガタと震え出す。


『…相当トラウマになったんだね、今回のは』
「うぅッ、茉莉さんが治癒の異能だったらどんなにいいか…」
『ごめんね、私は治癒系の能力では無いから…
普通の治療しか出来ないよ』

「茉莉さんの能力?)あ、あの…」
「兎に角だ、今回はマフィア相手と知れた時点で逃げなかった谷崎が悪い」

「マズいと思ったらすぐ逃げる、危機察知能力だね、たとえば……
今から10秒後」
「?」

何の事か分からない敦くんを一人置いて私も含む四人はそさくさと逃げる。

晶子さん、今日は買い物に行くって言ってたからね。ショッピングに余り興味が無い私にとっての意見は、世の男性陣と同じな訳で…


(危機察知能力って、これ⁇(汗))

忽然と消えた私達に突っ込むことも出来ず、与謝野の買出しに連行される敦くんだった。


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