第5章 運命論者の悲み
医務室を出てだいぶ経ったが、未だに職場に出てこない敦を気にかけ再び医務室に戻ったが、敦の姿は何処にも無かった。
外から荷物を持った国木田に敦を見てないか尋ねた。
「小僧か?先程荷物を持って何処かに行ったぞ」
『え、止めなかったんですか』
「止めるも何も、人の話を聞かずに走って行ったが」
…仕方ない、仕事ついでに探そう
外に出る準備をしている時、突如社の扉が開いた。
(……げ、この人達)
「失礼、探偵社なのに事前予約を忘れていたな
それからノックも」
ポートマフィア武闘組織「黒蜥蜴」が社内へ踏み込んでくる。
「多目に見てくれ、用事はすぐ済む」
広津柳浪
ーー能力名「落椿」
の一声で一斉に銃撃が始まった。