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もう一人の女医 【文豪ストレイドッグス】

第4章 ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス


探偵社・応接スペース


依頼に来たのはパンツスーツを着た金髪の可愛らしい顔立ちの女性だった。

カチャと紅茶の入った来客用のカップとソーサーを女性の前に置く。
『どうぞ、紅茶で良かったですか?』
「あ、はい 大丈夫です」
『砂糖とミルクはこちらからお好みでどうぞ』
「ありがとうございます」

谷崎が依頼を伺おうとした、が
「睡蓮の花のごとき果敢なく、そして可憐なお嬢さんだ
どうか私と心中していただけないだろうか?」

と太宰が又しても巫山戯たことを言い出す。
さすがに依頼主もドン引きしていたので、手に持っていたお盆で容赦無く殴る。
「痛いょ茉莉、妬いてくれるのは嬉しいんだけど
『誰が妬いてるって?そんなに焼いて欲しいの?』…気のせいかなぁ、嫉妬の妬くじゃなくて、炙る方の焼くに聞こえるのは私だけだろうか」


依頼は、依頼主の社がはいるビルヂングの裏手に最近善からぬ輩が屯している様なので現場を張って証拠を掴んで欲しいとの事だった。

ただ見張るだけの簡単な依頼だったので初仕事として敦、そして谷崎(+ナオミ)が行く事になった。

***

依頼主と三人が現場へ向かい、残りの者はそれぞれ仕事へ戻る。
私も買い出しに行かなきゃ、と出ようとした所をソファで寝転がる太宰に引き止められる。

「茉莉、買い出しに行くのだよね?コレを」
『小型イヤホン?』

何故コレを?と聞こうとソファに近づきしゃがむと、太宰は自分が付けていたヘッドホンを指差した。
小型イヤホンを耳につけると、先程出かけた敦と谷崎、ナオミの話声が少し遠くから聞こえる。

『…あぁ、さっき依頼者口説いてた時、ポケットに入れた盗聴器ね』
「そ、渡して置くから何か動きがあったらよろしくね…それから、茉莉」
『何?まだあるの?』
「やはりさっきの事、嫉妬してくれてたのだね(笑」

太宰は揶揄うが、次に真顔で発せられた彼女の言葉に固まる。



『…惚れた男が、他の女口説いている所見て嫉妬しない女がこの世に居ると思う?』
と一言残して出掛けて行った。



「………………カッコ良すぎデショ(////)」

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