第1章 出会い×別れ
そこから少しの沈黙。走る足音だけが響く。その沈黙を最初に破ったのは
「ねェ、君 年いくつ?」
ふさふさ頭の子だった。
セレナ
(こっちではいくつだっけ…確か…)
「12だよ」
ふさふさ頭の子
「オレ達同い年だな。オレ、キルア。」
セレナ
「わたしはセレナ。キルアくんはゴンくんとは?」
キルアくん
「今日知り合ったばっかり。あとキルアでいいよ」
セレナ
「そうなんだ。じゃあみんな、はじめましてだね〜
あ、わたしもセレナでいいよ」
キルア
「セレナはなんでハンターになろと思ったの?」
セレナ
「わたしは気まぐれだよ。すっごく難しいって聞いたから、どんなのかなーって思って。」
キルア
「オレも同じ。ホント、拍子抜けしちゃうよなー」
セレナ
「今のところ、走っているだけだからね……これからに期待してる」
キルアと話をしているうちに大きな建物の前に着いた。どうやらここが、次の試験会場らしい。
セレナ
「あれ?じゃあ一次試験は走るだけ?」
キルア
「そうだけど、聞いてなかったの?」
セレナ
「いやー……あはは…」
ヒソカと居たからそれどころじゃなかったのです。霧もすっかり晴れて、ようやくキルアの顔をちゃんと見ることができた。
見た所、キルアは汗ひとつせず余裕の表情だった。
セレナ
「……ねぇ、キルア…もしかして–––」
キルア
「あ、ゴンだ。いこーぜ」
キルアはゴンくんの元へ走っていった。わたしも慌てて追いかける。せっかく同い年の子に会えたのだ。友達になれればいいな、と思う。
ゴンくん
「キルア!…と、あ!さっきの!!ごめんなさいさっきは!!」
セレナ
「いえいえ、気にしないで。それよりお友達さんは、大丈夫だった?」
ゴン
「うん!」
キルア
「それよりどんなマジック使ったんだ?絶対もう戻ってこれないと思ったぜ」
ゴンが話してくれたのは、やはりヒソカが霧に乗じて殺しをしたこと。レオリオさんという、あの黒スーツにちっちゃなサングラスをかけていた、今は上半身裸の人を気絶させ、ここまで運んで来てくれたこと。ゴン達はレオリオさんの香水をたどってきたことを話してくれた。
キルア
「お前……やっぱ相当変わってるなー」
ゴン
「そうかなー」