第1章 出会い×別れ
ゴンくん
「そういえば、自己紹介してなかった。オレはゴン!」
セレナ
「わたしはセレナ。よろしくねゴンくん」
ゴンくん
「よろしく!それに、オレのことはゴンでいいよ」
手を差し伸べてくれたのでその手を握る。
その近くにいた金髪で綺麗な顔立ちをした男の人も「クラピカ」と名乗り手を差し出してくれて握手した。
ゴン
「で、なんで中に入らないの?」
そう、二次試験会場についたものの、その扉は開かず、志望者はずっと建物の前で待っている。中からは変なうめき声が聞こえていた。
正午になり、扉がゆっくりと開いていく。完全に開かれた扉の向こうには、椅子に足を組んで座った、中々な格好をした女性と、その女性の何倍もある大柄な男が、床に座っていた。先程からの変なうめき声は、この男のお腹から鳴っているものだった。
女の人
「どお?おなかは大分すいてきた?」
大柄男
「聞いてのとおりもーペコペコだよ」
女の人
「そんなわけで、二次試験は料理よ!!美食ハンターのあたし達2人を満足させる料理を用意してちょうだい」
『美食ハンター』
世界中のあらゆる料理と食材を研究し、さらに新たな美味の創造を目指す。
セレナ
「料理……かぁ……。美食ハンターってなると、厳しそう……」
審査基準は、まず大柄男の指定する料理を作り、そこで合格した者だけが女の人の指定する料理を作ることができる。その2人の舌を唸らせれば、合格らしい。
大柄男
「オレのメニューは、豚の丸焼き!!オレの大好物
森林公園に生息する豚なら種類は自由。それじゃ、二次試験スタート!!」
一斉に公園へ走り出す。
セレナ
「豚……ねぇ。おーい豚さんやーーーい。どこだーーー」
キルア
「そんなので出てくるわけないじゃん」
セレナ
「あ!いた!!」
キルア
「まじかよ!?」
恐ろしく鼻がとんがった豚だった。目つきも悪い。しかも、人間より大きい。
セレナ
「確かに、食べ応えありそうな豚さん……ねっ!」
豚の頭を手刀で強く叩くと、いとも容易く悲鳴をあげて倒れた。
セレナ
「よし、あとはこの豚さんを丸焦げにすればいいのね」
キルア
「いや焦がすなよ……」