第1章 出会い×別れ
セレナ
(いやでも、さっきまで…なんで?!)
番号札を手渡されながら、わたしは先程の悲鳴の原因の顔を見つめる。
「ボクはヒソカ♦︎キミはなんていうのかな?」
超危険人物がにっこりと笑顔で名乗る。わたしも名乗らないわけにはいかない。
セレナ
「わたしはセレナっていうの。ヒソカさん、さっき奥の方にいましたけど、どうやって……」
ヒソカ
「ボクは奇術師だからね♠︎出たら消えたりなんてお手の物さ♦︎
それと、ヒソカでいいからね♥︎」
セレナ
「あ、うん……。」
本能が離れろと訴えて来る。離れたいけど、どうしてか、動けない。そんな時、ジリリリッと大きな音がこの空間内で響き渡った。一斉に音のなる方へ目を向ける。そこには、執事のような風格の人が足を揃えて立っていた。おそらくあの人が試験官なのだろう。
彼がハンター試験開始を宣告すると同時に、空気は一瞬で張り詰めた。これから何をするのか、何をしなければならないのか。受かるのか落ちるのか。熱意、自信、不安、恐怖。様々な感情が空気を満たして行く。
試験官は、歩き出す。その速さは、段々と速くなっていく。
セレナ
「速くなってる?」
ヒソカ
「前が走り出したね♣︎」
というか、いつまでいるんだろこの人……。
ちょっと口元笑ってるし。
薄気味悪いというか、何というか。
ヒソカ
「もしかしてこれが試験なのかな?」
セレナ
「へ?」
まずい、まずい考えてたから変な返事しちゃった!!!!
セレナ
「そ、そうなんじゃないかな?楽でいいじゃない」
ヒソカ
「つまんないなぁ…♠︎」
あー、早くこの人と離れたいです。
ヒソカ
「あ、つまんないからさ、セレナ話し相手になってよ♦︎」
はぁ?!?!
ちょ、冗談でしょ?!?!
何も話すことないし!あなたと離れたいんすわたし!!!
セレナ
「わたし話すことないなぁ…」
ヒソカ
「キミはなんでハンターになろうと思ったの?」
これは話し相手になった方がいいやつか……。
わたし、これからどうなるんだろう……とほほ