第1章 出会い×別れ
ジュージューと炒め物の音といい匂いが立ち込める定食屋さん。入るなり厨房のおいちゃんが「いらっしぇーい!!」と叫ぶ。
少しだけ圧倒されるわたし。
厨房のおいちゃんが注文を聞いてきた。
細身細目のターバンを巻いた男が、ステーキ定食を頼む。途端においちゃんはピクリと反応し、焼き方を聞いてきた。
セレナ
(反応した?)
ターバンを巻いた男は弱火でじっくりと頼む。おいちゃんは軽く返事をしてから、スタッフの女の人が奥の部屋へと促していく。
おいちゃんは、今度はわたしに注文を聞いてきた。
わたしも同じように答えてみると、少しだけ怪訝そうにしながら、前の4人と同じように奥の部屋へと案内された。
『B100』の数字が、部屋の扉の上に表示される。チン、という音と共に、扉が開いていく。
セレナ
「目的地に、着いたみたいね。」
扉の向こうには、広い空間に、数え切れないほどの人で溢れていた。どれも皆、ハンター志望者だろう。
さっき尾けていた大柄の男もそこにいた。
みなわたしの方を見て、中には笑う人や、ため息をつく人、興味なさそうに視線を外した人がいた。
さっきの男3人組も、いた。今は誰かと話しているみたいだ。
「ぎゃあぁ〜〜〜〜っ!!!!」
突然、奥の方で叫び声が聞こえた。
「アーラ不思議♥︎腕が消えちゃった♠︎
気をつけようね♦︎人にぶつかったらあやまらなくちゃ♣︎」
ピンク色の髪をオールバックにして、両頬には奇術師のようなペイントが施されている。きっとやばい人だ、近づかないでおこう……。
セレナ
「あっと、他に気取られてちゃダメだった。受付の人に番号札もらわないと…」
ドンッ
セレナ
「わ、す、すみませ……ん」
瞬間的に変な汗を掻く。
「んー?いいよいいよ♥︎キミはいい子だねちゃんとあやまって♦︎」
うわー……フラグ回収乙ったぁ…………