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【H×H】そしてわたしはねむくなる。

第1章 出会い×別れ


手には『ハンター試験会場案内』。これは、ハンター志望者に配られる通知書で、そこには試験開始の日時と大雑把な場所しか記されていない。わずかな情報だけでも目的地にたどり着くこともまた、試練である。

セレナ
「まあ、自分の住んでいる地域に試験会場があるのは幸いよね」

ここザバン市には、山脈が連なっており、そのうちの1つの山頂には立派な杉の木が立っている。

セレナ
「とりあえず、情報収集しないと……」

港に行けば、志望者が多くいるかもしれない。そう思って、ドーレ港へと足を運んだ。

やはり、港は人で溢れていた。そのほとんどが、これから試験に臨む人のように見える。誰か有力な情報を持っていないか、辺りをキョロキョロと見回す。

ドンッ、と何かに当たった。

セレナ
「あ、す、すみません…」

咄嗟に謝ってから、当たったものを確認する。目の前に大きな腹。見上げると、大柄な男が立っていた。顎髭の濃ゆい、背中には大きなハンマー。


「気をつけな」


セレナ
「はい、すみませんでした」
(何か知っているかもしれない)


直感的に、そう思ったわたしは、この大柄の男の人の後を尾けていくことにした。



そして、次の日。
男は、とある定食屋へと入ったきり、出てこなくなってしまった。

セレナ
「んー、おかしい。入ったきり2時間も出てこないなんて。でもまさか、こんなところな訳……誰か来た」

サッとまた身を隠す。
やって来たのは、男の人が4人。1人は背が高く、黒いスーツにちっちゃなサングラス。もう1人は金髪に、独特な服。その2人の間に立つ子はわたしと同い年くらいで、ツンツン頭の子。最後に、少し離れたところに立つのは、細い目にターバンを巻いた人。

その細めの人が指を定食屋の方へ刺す。何かを3人に説明しているようだった。

セレナ
(観光……?でも、それにしては、何か突っかかる…)

その4人が定食屋へと入っていく。わたしも慌ててその後を追った。



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