第1章 出会い×別れ
そこにはネテロ会長がいた。
ゴン
「あれ?ネテロさん、こっちの方から誰か近づいてこなかった?」
ネテロ会長
「いーや」
キルア
「素早いね、年の割に」
ネテロ会長
「今のが?ちょこっと歩いただけじゃよ」
キルアとネテロ会長の間に変なカミナリがなる。
セレナ
「き、キルア……」
キルア
「何か用?じいさん最終試験まで別にやることないんだろ?」
ネテロ会長
「そう邪険にしなさんな。退屈なんで遊び相手を探してたんじゃ。どうじゃ、ハンター試験初挑戦の感想は?」
ゴン
「うん楽しいよ!想像と違って頭使うペーパーテストみたいのないし」
キルア
「オレは拍子抜けしたね。もっと手ごたえのある難関かと思ってたから」
ネテロ会長
「お主はどうじゃ?」
セレナ
「うーん、すみませんがキルアと同じですね」
キルア
「次の課題はもっと楽しませてくれるんだろ?」
ネテロ会長
「さぁどうかのー?」
この人若いなって思うと同時にキルアがいこうぜと言って促した。
ネテロ会長はわたしたちを止めた。そして、ゲームをしないかと誘ってきた。
ネテロ会長
「もしそのゲームでワシに勝てたら、ハンターの資格をやろう」
セレナ
「!?」
そして、ネテロ会長に連れてこられたのは思いっきり身体を動かすことができそうな、広い施設だった。この飛行船は本当に大きい。
ルールは簡単だった。ネテロ会長からボールを奪えばわたしたちの勝ち。ボールを奪う際にどんな攻撃をしてもいいし、ネテロ会長から攻撃はされない。
キルア
「ただとるだけでいいんだね?じゃオレから行くよ」
ネテロ会長
「御自由に」
キルアの目が暗く沈む。そして、静かな足運びで、肢曲をした。肢曲というのは、足運びに緩急をつけることで残像を生じさせて相手を幻惑させる、かなり難しいテクニック。
セレナ
「さすが……」
しかしキルアがいくらボールに手を伸ばしても、ネテロ会長は最小限の動き、というよりは本当に遊んでいるかのように、避けていく。そこで、キルアは左脚で思いっきりネテロ会長の右脚に蹴りを入れた。おそらく、動きを止めようとしたのだろう。が、顔色を変えたのはキルアの方だった。
キルア
「いってぇ〜!!鉄みたいだぜあのジーサンの足」
そして、ゴンにバトンタッチした。