第1章 出会い×別れ
どういう料理かハゲ男のおかげでわかり、女の人のもとへ料理を持っていく人が一気に増えた。
そして、最悪の結果が、下される。
女の人
「ワリ!!おなかいっぱいになっちった」
なんと、合格者を出さずして、二次試験はあっけなく終わってしまった。当然、周りはざわめき始める。この結果にみな、納得してないからだ。
ドゴオォン!!
突然大きな音が鳴り響く。255番の男が、机を拳で叩き割り、額に青筋が浮き出ていた。
255番の男
「オレが目指してるのはコックでもグルメでもねェ!!ハンターだ!! しかもブラックリスト(賞金首)ハンター志望だぜ!!美食ハンターごときに合否を決められたくねーな!!」
女の人
「それは残念だったわね。今回のテストでは試験官運がなかったってことよ。また来年がんばればー?」
この言葉にプッツンとキた男は、女の人の方へ握り拳を携えて殴りかかっていく。
パァン
大きな、破裂音に似た音。
一瞬、何が起こったかわからなかったが、男は勢いよく回転しながら後方へ血をまき散らしながら吹き飛んでいった。建物の窓ガラスを割り、建物の外へと。大柄男が男の顔をぶっ叩いたのだ。
セレナ
「……」
建物の外へと赴いた。別に助けてやろうとか思っているわけじゃないけど。
セレナ
「……もしもーし、生きてますかぁー?」
男は、ピクピクと痙攣していた。どうやら生きているらしい。
セレナ
「……?何か空から聞こえてくる」
低いエンジン音のような音が、遠方から聞こえてきていた。そして、それは頭上にやってきた。そして、老人のような声が拡声器から流れてきた。
建物の中にいた人もゾロゾロと外へやってくる。みな一様に空を見上げた。
船の底から、何かが降ってきた。
勢いを増して、それは、地面に土煙を巻き上げながら着地した。物凄い音だった。
降ってきたのは、先ほどの声の主であろう髭、髪共に長い仙人のようなおじいさんだった。
しかし、あのよほどの高さから落ちてきたその人はピンピンしており、相当の手練れなのだとわかる。
女の人
「審査委員会のネテロ会長。ハンター試験の最高責任者よ」
ネテロ会長
「ま、責任者といってもしょせん裏方。こんな時のトラブル処理係みたいなもんじゃ。メンチくん」
メンチと呼ばれた女の人は、緊張した声音で返事をした。