第1章 出会い×別れ
周囲の人も一目散に魚を採りに行った。川や湖には、種々様々な魚がいる。
セレナ
「これ、おいしいのかな?」
見た目は悪くても味はいい食べ物なんてたくさんある。そう信じて、先ほどのお米の塊に魚をのっけた。
レオリオ
「よし!!出来たぜー!!オレが完成第一号だ!!
名付けてレオリオスペシャル!!さあ、食ってくれ!!」
どんなものを作ったのか気になり、チラリと覗き見してみる。
出てきたのは、作ったお米の塊によく似たものへ、魚を数匹ぶっ刺したものだった。口をパクパク、尾ひれピチピチの、生きた魚を。
女の人はそれを後方へぶん投げた。無理もない、食べられない。もったいないけど……。
女の人
「いーい!?カタチは大事よ!!ニギリズシのカタチをなしていないものは味見の対象にもならないわ!!」
と言われても見当もつかない。
そこで次はゴン選手が向かう。
女の人
「403番とレベルがいっしょ!!」
ゴン
「レオリオと同じレベルかー……」
クラピカ
「心中察するぞ、ゴン」
セレナ
「うーん、むつかしいなぁ……」
近くのクラピカは何やら塾考し、それから思いついたかのように手を動かし始める。その目は真剣そのもので、何やら超大作ができる予感がした。
クラピカ
「これだ!!」
女の人
「あんたも403番並!!」
すごいショックを受けていた。
セレナ
「クラピカ……どんまい」
レオリオ
「お前ら!!どいつもこいつも!んだよコラァ!!」
女の人
「もーどいつもこいつも!!観察力や注意力以前にセンスがないわ!!やんなっちゃう!!」
セレナ
「ほらもー、レオリオ怒るからあの女の人もおんなじ怒り方してるじゃんかー」
レオリオ
「カンケーねぇだろっ!!!」
と、女の人の前へ今度はハゲた男の人が不敵な笑みを浮かべながら向かっていく。あの顔はよほど自信があるのだろう。女の人もようやくかといった感じで、やっと料理を口にした。
しかし、美味しくないという。確かに、この審査では美食ハンターの舌をおいしいと感じさせなければいけない。が、ハゲたおっさんはよほど自信があったのか、その結果に不満を述べ始める。大声で。怒りで頭に血が上っているのか、彼はニギリズシをどういうものか知っていたらしく、その姿形をバラし、挙句、女の人を怒らせてしまった。