第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君
夜。
三成の部屋で解決方法の進捗状況を聞くため
1日ぶりに花蓮と家康は
2人きりで顔を合わせた。
「家康、どう?私の生活、上手くやれてる?」
「それは、こっちのセリフ。あんたこそヘマしてない?あ………でも、」
「…でも?」
「あんたが、あんな人なの知らなかった…」
呟く声は、いつもの家康らしく
抑揚の少なものだが
今はなんせ身体が花蓮だ。
ほんのりと頬が上気していて…
「え、照れてる!?」
「違います」
即答で、ぴしゃりと返される。
けれど、頬はさらにかあっと
赤く染まっていって…
(家康が!?なんで!?!?
というか、私、いつもこんな顔して家康に喋ってるんだ…)
つられて私まで恥ずかしくなってくる。
「お待たせしました、お二人とも。信長様に急に呼ばれてしまって…… ?」
2人とも顔を赤くしながら
無言で俯いており、
部屋に戻って来た三成は頭に?を浮かべる。
「まぁ、何はともあれ、お二人とも無事に1日を乗り切れて良かったです」
にこりと微笑んだ。
「ところで本題に入ります。舶来品の絵巻物に書いてあったので真偽の程は定かではありませんが、過去にもこういった入れ替わりがあった様です」
「ほ、ほんと?その人たちはなんで?」
私は、思わず身を乗り出してしまった。
「海を越えた国での話ですが…同程度の強烈な衝撃を体験した者同士が、それをきっかけに入れ替わうということが書かれていました。原因は、戦だったり、災害だったり…。お二人の場合は、きっと…」
「…雷」
ぽつりと、花蓮(家康)が呟く。
「そうですね。雷が落ちた瞬間、花蓮様と家康様は何か心の通うものがあったのかもしれません」