第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君
(緊張する…)
信長様を囲むように集まる、いつもの面々。
軍議も、来たる戦に向けて熱を帯びている。
これまで何度も軍議には
同席した事があったけど……
なんでこんなに緊張するかと言うと…
実は私は今、家康なのだ!
昨日、三成くんに相談したけれど、
まずは文献を探すので
少し時間が欲しいと言われ…
結局解決策が見つかるまでは、
互いに入れ替わったまま
過ごす事になったのだ。
「…おい!おい!家康!」
「へ?」
政宗の少し不機嫌そうな声で我に変える。
「人の話聞いてるのかよ」
「え?あ、ごめんね。なぁに、政宗」
慌てて政宗に顔を向けた私は、
少しだけにこりと頬を緩める。
「ひっ…、ごめ…って、政宗ぇ? お前、どうした?」
気味悪そうに、後ずさりする政宗。
「ほう、面妖だな。家康ともあろう者が、物の怪にでも憑かれたのか?」
光秀は、物珍しそうに家康を見やる。
「あ…」
(やっちゃった~!!!)
昨晩あれだけ、家康と作戦会議をしたのに
既に素が出そうになる。
「ご、ごめん。何」
慌てて、家康の口マネをして取り繕うも…
(に、睨んでる...)
ちょうどその時、お茶を持ってきた私(家康)が
政宗の肩越しに恐ろしい形相で睨んでいる。
(ひゃぁ~!!!)