第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君
「なるほど...。お力になれるか分かりませんが、過去の文献に同じような例がないか探してみますね」
ところ変わって、
ここは安土城の三成の部屋。
部屋には、少し困惑した様子の三成と、
おどおどした様子の家康、
そして、仏頂面の花蓮。
「まとめると、雷鳴に驚いた2人は木の根に躓き、倒れた拍子に意識を失った。目が覚ましたら中身が入れ替わってたと...そんな所でしょうか」
入れ替わり——。
そう私(俺)は、さっきまで
家康(花蓮)と一緒に
薬草を摘んでいた。
しかし急に雨が降り出し、
木陰へと走ってる途中、
一際大きな雷鳴が轟いたのだ。
驚いた花蓮が木の根に躓き、
家康にしがみついた所までは
覚えてるのだが...
「ま、そういうこと」
短く返事をして、ぷいと
そっぽを向く花蓮(家康)。
「ね、三成くん、どうにか私たちが元に戻れる方法を早く探して欲しいの」
上目遣いで懇願する家康(花蓮)。
(三、成くん...)
あまりに異様な光景に、
光成はゴクリと唾をのみ込む。
(潤んだ瞳の家康様にこんな事を言われると、幾ら私でも何とも言えない複雑な気持ちになるのですが...)
「未だ信じられませんが...お2人の様子を見るに、本当の事のようですね」
ふふふ、と微笑ましく笑う三成。
「笑い事じゃないよ。まったく」
「ちょ...家康、そんな格好で胡座かかないでよ!」
「あんたこそ、俺の顔でへらへらしないで」
外見こそ違えど、
中身はいつもの2人なので
喧嘩の調子もいつも通りだ。
「まぁまぁ、お2人とも。ところで、明日からどうしますか?」
「「え?」」