第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君
「とどめを刺すのは、俺の方だよ」
その声に、顔を上げると
薄黄色の柔らかな髪
男の人らしい首筋
花蓮を抱え込む広い胸板
そして、闘志のこもった力強い瞳…
「家康っ!」
「ふん、ようやくお飾り武将のおでま…し、…くっ!」
「口だけのあんたに言われたくないね」
最後まで言い終わる前に、
家康が相手の刀を弾き飛ばす。
「おとなしく俺の後ろについてて」
そう花蓮に声をかけると
家康は無駄のない動きで次々と敵を倒してく。
「や、やめろ…!」
最後の一人が、家康の太刀を受け気絶すると…
(助かった…)
緊張の糸が切れた花蓮は
その場に座り込んでしまった。