第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君
その時、
ひゅっ…
と風の音とは違った耳慣れない音が
顔の横を通りすぎた。
「あ、危ない…!」
素早く花蓮(家康)が手綱を捌き
間一髪で矢を交わす。
「……矢?」
「思ったより近くまで来てたみたいだな」
振り返ると前方の木陰に、弓を番えた
浪人たちの影が見える。
「花蓮、俺にしっかり捕まって」
そういうと、花蓮(家康)は刀を構え
勢いよく浪人たちの集団に馬で突っ込んだ。
「くそ、迎え撃て!」
雄たけびと共に、敵も全力で駆け寄ってくる。
そんな彼らを、花蓮(家康)は軽々と
切り伏せていくも…