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【イケメン戦国】~矛盾の上に咲く華~

第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君


鼻の奥がツン、として
その息を飲む気配が伝わったのか…


「…別に、責めてるわけじゃない」


ぽつりと、さっきより棘の抜けた声で
花蓮(家康)が呟いた。



「あんたが色んなこと頑張ってるの知ってる。

 いや、知ってると思い込んでた。

 入れ替わってみて初めて、
 本当の意味で花蓮が
 俺や俺たちにしてくれたこと、わかった気がする」


「…で、でも、私、家康に迷惑かけばっかりで…」


「いい。それでいいんだよ」

 
「今だって満足に馬も乗れなくて…!」


「ま、それは確かに困るけどね。
 
 俺も部下がいる身だから、
 こういう時には一番に駆けつけなくちゃいけないけど。

 でも、今回のことで…」



 あんたのこと、前より守りたくなった…



 

背の高い草むらをがさがさと蹴りながら
馬が軽やかに木々の間を駆け抜ける。



「……え? 今、なんて…」


「…内緒。もし戻ったら、容赦しないよ」


振り返った花蓮(家康)の視線に
射すくめられ、胸が高鳴る。


その顔は見慣れた自分の顔だけど、
その瞳に浮かぶ熱は、確かに家康のもので…



「家康…」



自分を見上げる自分の瞳と
そこに映る家康の瞳の両方に吸い込まれそうになった…


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