第1章 【家康】私の知らない君と、俺の知らない君
大きな胸に抱きとめられて、
恐る恐る見上げると…
「…光秀さん」
「お前から誘ってくるなんて珍しいな」
一瞬目を見開いて驚いた表情をしたものの
すぐにいつもの意地悪い笑みを
浮かべて見つめてくる。
「ち、違う…!離せっ…!」
身体を離そうと光秀の腕の中でもがくも
自分の背中にしっかりと腕をまわされ
身動きが取れない。
「おい、花蓮!」
さらに、後ろからは政宗の呼び声と足音が。
「お前、政宗から逃げてたのか」
見下ろしてくる光秀の顔に
何かを企んでいるような
怪しげな笑みがさらに浮かぶ。
「…そ、そうなんです!だから離し…!」
「なら、ここいらでお前が誰のものか、あの野生児にしっかり見せつける必要があるな」
(…へ?)
そう言うと、光秀は
花蓮(家康)の顎をその長い指先ですくい…
ゆっくりを向かせ…
驚きで半ば開いた花蓮(家康)の唇に…
自身の唇を寄せた。