第21章 書き換えられる記憶
そこへ丁度注文したものが運ばれてきた。
はオムライス、名取はミートスパゲティだ。
「とりあえず先に食べてしまおう。ちゃんと話し合って整理した方が良さそうだから、この話は帰ってからにしようか」
そう促せば、はわかったと頷きオムライスを食べ始めた。
帰宅後、2人はソファに並んで座り今回の件について話していた。
「学校から帰ってきて正門に差し掛かっ時、見てしまったんだ。主と見知らぬ女性が親しげに話してるところ…。それで…」
「家出した、と…」
「まぁ…うん…」
「そうだったのか…」
まさかあの的場静司がそのようなことをしでかすとは思えないが、彼も結局は男だったという事だろうか?
この問題に関しては、恐らく彼女自身の中で気持ちの整理をつけなければ解決しようにも出来ないだろう。
何せこれは的場静司と妖姫との問題だ。他人が下手に口出しをしていいものでもないように思えた。
「そうだ。実は明日、祓い屋の会合があるんだ。良かったら妖姫も一緒に行ってみないか?」
「私も…?」
「そう。小さな会合だから恐らく静司は出席しないだろうし、どう?」
的場が出席しないのなら行ってみるのもいいかもしれない。
「ぁ…でも待ってくれ、私は主が派手に"お披露目"したせいで的場家の知り合いには面が割れてるんだ。もし的場家の知り合いがいたら後が面倒になるぞ、きっと」
「あー…確かにそれは一理あるね」
そう。祓い屋界隈で有名な的場が婚約者だと大見得切ってしまった時に私は挨拶をした。だから、的場と関わりのある祓い屋達には何かあったのかと確実に怪しまれるだろう。下手に会合に出席して的場一門に迷惑がかかってしまうのは嫌だった。