第2章 覚悟しといて?【トーマ】
「はい! トーマの大好きな辛ーいキムチ鍋にしたよ!」
「ははっ、ありがとう。うまそうだなぁ」
沢山の具材が入っててうまそう。
が器に、具材の数を数えたりしたながら盛ってくれてる。
小さい頃に、母親が皿におかずを取り分けてくれたりした時のことをなんとなく思い出した。
「ありがとう。いただきます」
「どうかな?」
「めちゃくちゃうまい」
「よかったぁ!」
両手を合わせて喜んじゃって……可愛いな。
そんな可愛い彼女に看病してもらったり飯作って貰ってる俺、すんごい幸せ者。
たまには、体調崩すのも悪くないのかもしれない。
食べ終えて、ふと時計を見ると夜の7時になっていた。
「、俺はもう大丈夫だから、そろそろ家帰った方がいいよ。こんな時間だし」
「……今日泊まってく」
少し間を置いて、ちらっと俺を見て小声で言った。
泊まるって、服とか歯ブラシとか持ってきてないだろ。
てか、買い物とか料理とかしてもらって、これ以上お世話になるわけにいかないから。
「だめ。もう遅いから帰りなさい」
「……」
「これだけちゃんと飯食って薬も飲んだんだから……さ、ふぅ……大丈夫だから」
「……もう疲れてるじゃない。まだ熱あるんだし、夜中にもっと具合悪くなったら大変」
そうだけど……。
いや、そうだけどじゃないな。
良くなっている感じはするけどキツイ事に変わりはない。
今日だけ、やっぱりお願いしようかな。
も凄く心配してくれてるし。
「じゃあ、パジャマは俺の貸すから、それ着て」
「ありがとうトーマ!」
頬にちゅっとキスをされて、どうしようもなく嬉しくなる。
俺もキスをしようとして、唇にしたら風邪うつるかもと思ったから、まあこんなに長時間一緒にいるから今更なんだけど……でも一応気にしておでこにキスをした。