第2章 覚悟しといて?【トーマ】
「服ありがとう」
「うん……」
あぁこれは予想以上に……。
袖余ってるしだぼっとしてるし。
ズボンだって捲らないといけないけど捲ったところで全体的にゆるゆるだし。
なんかのゆるキャラかよ。
「……どしたの? なんか変だった?」
「全然。可愛くて見とれてたってとこかな」
「何言ってんのよー」
クスクスと笑いながらこっちに来て、抱きついてきた。
から俺の匂いがする。不思議。
全部が俺のものって、錯覚してしまいそうになる。
ぴと、とが俺の頬に自分の頬を押し当てて。
柔らかいな……。
「トーマいつもより熱いね、やっぱ」
「さっき熱測ったらだいぶ下がってたけど、まだ普段よりは高かったかな」
「そっか……じゃあもうベットに横になろう?」
強制的に体を横にされ、ひんやりした枕の上に頭をのせて。
でもこのまま寝るのはおしいから、も一緒に寝させようと、腕をくいっと引っ張ってベッドに誘導した。
「なになにー? ここに寝ろって?」
「そう」
俺の方を向いて寝転がったと同時に、の体を引き寄せてぎゅっと抱きしめた。
そしたら「ふふ、甘えんぼさんだね」と頭を撫でられた。
今はそれが心地よかった。
「大好きだよトーマ。早く良くなってね」
「……俺も、大好き」
愛しくて、愛しくて。
のおでこにそっとキスをした。
くすぐったそうにするその仕草。
「ほんと、可愛いなお前は……どうしようもなく可愛い」
「な、何急にっ……」
「……完治したら、いっぱいお前に触れたい。覚悟しといて?」
「えっ! う、うん……」
照れた顔がまた可愛くて。
柔らかな熱を抱きしめながら、俺はゆっくりと眠った。
~End~