第2章 覚悟しといて?【トーマ】
「何か欲しいものない? すぐ買ってくるよ?」
「……じゃあ、なんか甘い物と、あと鍋食べたい」
「わかった、すぐ買ってくるね、待ってて」
バタン。
ただの一瞬しかいなかったのに、もう寂しく感じる。
体調が悪いと人恋しくなるけど、ここまでとは。
少し、ベッドに横になろうかな。
布団、ひんやりして気持ちいい。
まだ外は明るいな……具合悪くて夜中も何度か起きたから、なんか時間感覚狂ってる。
……俺の部屋ってこんな静かだったっけ。
……あぁ、眠いな。
トントントン……。ぐつぐつ……。
ん……料理作ってる音がする。あと後頭部が冷たい。
いつの間にか水枕を入れてくれてたらしい。
寝ちゃってたんだな俺……。
体を起こすと、テーブルには薬とか日持ちのするパンとか、缶詰とか置いてある。
気を遣って、長持ちするもの買ってきてくれたのか。
パタパタとがキッチンから出てきた。
「あ、トーマ、おはよう。調子はどう?」
「おはよう。少し楽かな。なんか、色々気遣わせたな……」
「全然! 勝手に用意したりキッチン使ったりしてごめんね」
「いや、むしろありがたいよ」
俺一人だったら、簡単なご飯で済ませたり、下手したら何もしなかっただろうし。
もうすぐお鍋できるからね、とが微笑んで。
奥さんがいるってこんな感じか……。
って! まだ奥さんじゃないから!
そう、まだ。