第2章 覚悟しといて?【トーマ】
あー……体だるい。
まさか、体調崩すなんてね。
いつぶりだろ、ずっと風邪なんて引いてなかったし。
今日と会う約束、キャンセルするしかないな、電話しよう。
って、電話の操作すらもだるいし。重症だなこれは。
〈もしもし?〉
「もしもし、……ごめん、珍しく凄い体調崩して……会えそうにないんだ。今日の約束、キャンセルさせて貰っていい?」
〈え? それはいいけど、体調は大丈夫なの?〉
の声……やっぱいいな。安心する。
心配そうなのが声で充分伝わってきて、悪いなとは思うけど、そんな声を聴けることに喜びを感じてしまう。
「うん、まあ……大丈夫だよ」
〈……大丈夫じゃなさそうだよ。今ちょうど外出てたから、このままトーマのお家行く。何か欲しいものない?〉
「いや、いいよいいよ! お前に風邪うつしたら大変だし……大丈夫だよ」
〈でも、もうトーマの家まで来ちゃった〉
は? ……これどう反応したらいいの。
俺の家来ちゃってるなら欲しいものも何もどうしようもないよね?
まあ、もう来てるならしょうがないか。
ガチャ、っと鍵が開く音がした。
ああそうか、合鍵使ったのか。
バタバタと急いだ様子でが入ってきた。
「トーマ! 大丈夫 ! ? 」
「あ、うん、大丈夫」
「全然大丈夫に見えないよ! 冷えピタ貼ってるしほっぺ赤いし、だるそうだし!」
まあそりゃあ、38.5℃だしね。
食欲もそんなないし……結構だるい。